小説

『阪急電車』

【送料無料】阪急電車価格:560円(税込、送料別)映画を観に行ったことで知った本書。 映像を先に見ていたせいか、そして原作に比較的忠実に映画が作られているせいか、2つを重ね合わせていくうちに、するりするりと読める。 舞台は阪急電車。 そこを利用…

『放課後はミステリーとともに』

【祝!本屋大賞!受賞作家特集】東川篤哉『放課後はミステリーとともに』価格:1,575円(税込、送料別)本書は東川篤哉氏の「鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ」。 舞台は国分寺市恋ケ窪にある高校。 知っている人は多いと思うけれど、恋ケ窪は実在する地名で、高校…

『花の鎖』

【送料無料】花の鎖価格:1,400円(税込、送料別)湊かなえ氏の最新刊。 始めのうちは「どういうこと?」と戸惑うこと間違いない。 それほどにこれは、今まで以上に複雑な作品だと思う。 順番に“3人の女性”が登場して、それぞれの時系列で生活が描かれている…

『マリアビートル』

【送料無料】マリアビートル価格:1,680円(税込、送料別)あの『グラスホッパー』の続編かとも思われるようなストーリー。 懐かしい殺し屋たちがたくさん登場する。 今回の舞台はなんと東北新幹線。 それぞれ思惑を抱えた3組の「危ない奴ら」が、奇妙なくら…

『純平、考え直せ』

【送料無料】純平、考え直せ価格:1,470円(税込、送料別)ユニークで大好きな奥田英朗さんの最新刊。 タイトルにある「純平」は、デビューして間もない若いやくざ(21)で、常にイキがっている。 純平の啖呵がいちいち面白くて笑えてしまう。 トーク自体は…

『Nのために』

【送料無料】Nのために価格:1,470円(税込、送料別)たくさんのNが登場する。 というか気付けば、登場人物全員がN。 「まったくの他人同士であったNたち」が、お互いにかばい合い、罪を被るような行動へ走る。 「愛とは罪の共有」だと唱える女。 「傷め付け…

『往復書簡』

【送料無料】往復書簡価格:1,470円(税込、送料別)湊かなえ氏の最新刊。 やはり怖い。 ずるずると背筋に迫り来る恐怖感。 頁をめくる手にも冷や汗。 そして止まらない、のは『告白』を読んだときと同じ。 特徴的なのはこの小説全てが「往復書簡」つまり、…

『流跡』

【送料無料】流跡価格:1,365円(税込、送料別)ドゥマゴ文学賞を最年少受賞した(!)朝吹真理子さんの作品。 慶應大学院で近世歌舞伎を専攻されているだけあり、文章や言葉が独特の響きを持つ。 さらさらと流れていくようで、ところどころ「ええっ!」と衝…

『1Q84 book3』

【送料無料】1Q84(BOOK3(10月ー12月))価格:1,995円(税込、送料別)かなり「やっとこさ」感満載なのだけれど、『1Q84 book3』読み終えた。 青豆、天吾、牛河の3つの軸でストーリーが進んでいく。 3人の視線の先は分裂していて、いつから同じ方向を見つ…

『ユダ』

【送料無料】ユダ(上)価格:630円(税込、送料別)【送料無料】ユダ(下)価格:630円(税込、送料別)伝説のキャバ嬢・立花胡桃さんのディープな、現役8年間を描いた作品。 ほぼノンフィクションに近いと思う。 春日部市で生まれ、18歳の頃スカウトさ…

『ラッシュライフ』

【送料無料】ラッシュライフ価格:660円(税込、送料別)伊坂孝太郎氏の初期作品である。 ラッシュライフとは「豊潤な人生」の意味。 充実して生きることは誰もが求めていて、それを目指している。 思い通りにいかないのが人生だけれども。 「5つの視点」「…

『KAGEROU』

【送料無料】KAGEROU価格:1,470円(税込、送料別)水嶋ヒロさんがポプラ社小説大賞を受賞した話題の小説を読んでみた。 発売当日に買いに行くと、平積みされていたのがかなりすかすかの状態になっていたほどの人気ぶり。 発売前から40万部突破だったとか…

『桐島、部活やめるってよ』

桐島、部活やめるってよ価格:1,260円(税込、送料別)本書は第22回小説すばる新人賞受賞作で、現役の男子大学生が書いたということで評判になっていた。 ようやく読むことができた。 バレー部主将の桐島―自分にも他人にもひどく厳しい、そしてバレーも強…

『だれかのいとしいひと』

だれかのいとしいひと価格:580円(税込、送料別)全部で8話の収録された短編集。 「転校生の会」という話は、その文言通り「転校生」という言葉に由来している人たちが集まる会だ。 主人公のあたしは、転校を繰り返す男子と付き合っていた。 その彼と別れ…

『無銭優雅』

無銭優雅価格:520円(税込、送料別)40代男女の恋愛を描いた小説。 “一級品の恋愛小説”を世に出す山田詠美さんの、わりと近年の作品。 …ほんとだ。修復されてる。この、手のかけ方、親きょうだいには出来ない。友達も出来ない。私には、男がいるんだなあ…

『贖罪』

贖罪価格:1,470円(税込、送料別)『告白』で本屋大賞受賞後の本作もまた強烈だった。 とある静かな田舎町で、少女が変質者に性的暴行を加えられて殺された。 その少女は都会から来た、洗練された女の子だった。 元々田舎町に住んでいた4人の女の子と共に…

『眠れぬ真珠』

眠れぬ真珠価格:540円(税込、送料別)女性の心理をとても細やかに描いた書である。 緻密でやさしい描写が多く、後評に小池真理子氏が書いているように、男性が書いたとは思えないほど、微妙な女心が表現されている。 主人公は、45歳の版画家・咲世子。 …

『闇の貴族』

闇の貴族価格:880円(税込、送料別)倒産整理会社を経営する加賀篤は、金しか信じない男。 それは彼の、暗過ぎる生い立ちが影響した結果となっている。 加賀の“ターゲット”が惨殺死体で見つかった。 絞り取れるだけの金を絞り取ることを計画していた加賀だ…

『福袋』

福袋価格:1,365円(税込、送料別)ごく普通の恋愛をしている(いた)ハズの人々が主役の、恋愛短編集。 「普通であること」は物足りなく思えるけれど、実は幸せなこと。 それが崩れるときになって、ようやく分かる悲しみがあったりするのだ。 離婚届を提出…

『勝手にふるえてろ』

勝手にふるえてろ価格:1,200円(税込、送料別)『夢を与える』以来、3年ぶりの著作。 帯には「恋愛、しないとだめですか?」という「うーん、恋愛ねぇ…」と何かしら自分の考えを答えたくなるキャッチが。 主人公は26歳会社員で、年齢=彼氏いない歴の女…

『スローグッドバイ』

スローグッドバイ価格:480円(税込、送料別)10の話が収められた、石田衣良さん初の恋愛短編集。 どれも冒頭を読み返せば「あんな話だったな」と活き活きとした状況を思い出せる、記憶に強く残るお話。 普通のカップルの別れや、インターネット、デリヘル……

『グラスホッパー』

グラスホッパー価格:620円(税込、送料別)「グラスホッパー」には色々な意味があるけれど、ここではバッタという意味を表しているのではないかと思う。 本書は、鈴木、鯨、蝉という3人がそれぞれ交代で一人称で語る設定となっている。 鈴木は妻を「令嬢」…

『再生』

再生価格:1,575円(税込、送料別)「小さなこと」がきっかけで壊れた、いくつかの家族の物語。 破壊と現状維持は隣合っているもの。 何を起点として、普通に積み重なっていた積木の城が音を立てて崩れ落ちるのか。 それは誰にも分からない、突然来る事柄。 …

『リバース』

リバース価格:1,575円(税込、送料別)ごく普通の「性的な意味でノーマルな男女」が、ネット上で性を入れ替える。 実に真面目な普通なチャットで交流するうちに、リアル世界で相手に会ってみたいという気持ちが、それぞれの中で募っていく。 しかし、ネット…

『美丘』

美丘価格:540円(税込、送料別)なんて繊細で、美しい描写なのか。 何度も読み返したい本は、世の中にさほど多くはない。 私は、この本を偶然手に取り出会えたことに、喜びを見出している。 タイトルにある「美丘」は、嵐のようにスピーディに、それでいて…

『夜行列車の女』

夜行列車の女価格:580円(税込、送料別)西村京太郎氏の本は、ある人からもらって読んでみたら面白くて、結構好きになった。 読むのは2冊目。 本書では、寝台特急「サンライズエクスプレス」が最初の殺人の舞台となっている。 とにかく、何人もの人が死ん…

『黒い太陽 下』

黒い太陽(下)価格:630円(税込、送料別)風俗王・藤堂を潰すため、立花は彼の店からキャストを引き抜くことを画策する。 そして、裏から手を回し、何とか成功したかのように見えたが… 現実は甘くなかった。 伊達に「王」と呼ばれているだけではない藤堂。…

『黒い太陽 上』

黒い太陽(上)価格:670円(税込、送料別)自分が最も忌み嫌う世界で、黒い太陽へ向かって歩いていくことは、どれほど大変なことだろうか――。 自身がかつての自身と比べて変わり果ててしまったことは、己が一番分かっているものだ。 風俗王・藤堂の元で一ボ…

『新宿ミッドナイトベイビー』

新宿ミッドナイトベイビー価格:1,260円(税込、送料別)本書では「新宿(主に歌舞伎町、二丁目)の一般的な住人」たちが、これでもかというくらい登場する。 物語は、売れっ子ホストと施設出身のキャバ嬢が平穏に暮らしている中、彼女が赤ちゃんを拾ってく…

『sex』

Sex価格:1,470円(税込、送料別)すごいタイトルでしょ。 でも、石田衣良さんなら、普通に書きそう。 そんな自然な感じに思える。 最初に言っておきますが、それにしても、実にエロい小説です。 本書は、12の短編から成り立っている。 様々なsexのかたち…