『往復書簡』

【送料無料】往復書簡

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湊かなえ氏の最新刊。
やはり怖い。
ずるずると背筋に迫り来る恐怖感。
頁をめくる手にも冷や汗。
そして止まらない、のは『告白』を読んだときと同じ。


特徴的なのはこの小説全てが「往復書簡」つまり、手紙のやり取りで出来上がっているということ。
現代は連絡を取り合うとすると、大抵はメールになるかと思います。
しかし、ここでは敢えて手紙。
こんな内容を文章に綴っているんだ、と想像しつつ読むとぞわぞわしてくる。


どの話にも共通しているのは「過去の黒い出来事」が、手紙でやり取りするうちに徐々に紐解かれていくということ。
どうしてそんな些細なことを覚えているの、と恐ろしくなるほど、人は特定の思い出に関してアンテナをピンと立てたまま生きているのだなと思う。


騙し、騙され、駆け引きをする。
嘘を吐く。
双方の間を行き来する文章には、そんな影があった。
かなり怖くて読み応えのある本。