『Nのために』

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たくさんのNが登場する。
というか気付けば、登場人物全員がN。
「まったくの他人同士であったNたち」が、お互いにかばい合い、罪を被るような行動へ走る。


「愛とは罪の共有」だと唱える女。
「傷め付けられることが愛」と思い込んできた男。
歪んだ思考へは誰がした。
育ってきた環境のほか、何があるだろう。
そういうことだから、彼らの思考の何もかも、否定できなかった。


回想と現在を、登場人物たちが順番に語っていくしくみ。
一体誰が誰を直接的にかばおうとしているのか。
どう嘘を吐いたのか。
どう行動したのか。
一瞬複雑に思えて分からなくなるのだけれど、矢印の向きを考えつつ読めば頭へすんなりと入ってくる。


悲しい話だと思う。
ただ、強くもある。