2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『君が悪い』

いつでも、どんなことでも相手のせいにするおかしな男の物語。 男(竹林というの職業は中学校教諭という点で、外では聖人君子を気取らねばならなかったり、一番荒れている時期の子どもを相手にしなければならなかったり…と、疲れることは多々ある。 溜まった…

『背広の下の衝動』

4つの中編小説から成り立っている作品。 タイトルにあるように、どの話もサラリーマンが主役。 しかも残念なことに、しがない、冴えないサラリーマン。 家族を持つ中年男性は、邪剣に扱われやすい。 ウザいだの、邪魔だの、洗濯物を一緒にしたくないだの…可…

『女王蘭』

一般的に「夜の蝶」と聞いて皆が連想するのは、美しく妖しい、そして多様な意味で危険な世界だろうか。 今は景気が悪くなり、地方はもちろん、歌舞伎町や六本木、銀座というトップの街ですら、閑古鳥の鳴く店が増え続けているけれど、その中でも売上を上げ続…

『これで、あなたの運命がキマル!史上最強の乙女のバイブル。』

つい手に取ってしまう“可憐過ぎるビジュアル”な本書。 ここには基本的なこと、あたりまえのことばかりが、繰り返し書かれている… だけれど、それが非常に重要なことなのだ。 まず、運を信じること。 自分の身に起きたことにはすべて意味があり、それを否定す…

『女優仕掛人』

大手芸能プロダクションから、超弱小プロへ――。 辣腕チーフマネージャーとして、一から小百合を売れっ子女優として育て上げた上杉は、社長との考えの食い違いから、解雇を言い渡される。 「1度死んだ気持ち」で、新たな世界へ飛び込んだのだった。 そこで、…

『毒蟲VS.溝鼠』

別れさせ屋VS復讐代行屋の、因縁の対決ストーリー。 前者が毒蟲、後者が溝鼠と呼ばれて恐れられているのは、彼らのやることなすことが血も涙もない、とにかく人間とは思えないほど残酷なことを行うからである。 生きながらにして、ターゲットへ地獄を味わわ…

『疲れない人間関係のヒント』

曽野綾子さんの数多くの著書から選び抜かれた名言集。 編集者の知人からいただいたもの。 私が感銘を受けた言葉をいくつか記すことにする。 ①人間は誰でも、自分の専門の分野を持つことである。小さなことでいい。自分はそれによって、社会に貢献できるとい…

『無間地獄 下』

http://d.hatena.ne.jp/ilangilang/20100405/1270479494 ↑上巻のレビューはこちら 闇金王・桐生は、社長の借金2300万円を背負わされた玉城を捕まえることに成功する。 しかし、彼がすこし目を離した隙に、衝撃的な出来事が起こってしまう。 桐生の部下で、彼…

『NINE』

↑サウンドトラック昔はヒット作を飛ばしていたけれど、近年はコケる作品ばかり発表している映画監督が主人公。 そんな監督が新たな映画を作ろうとし、いざ制作時期へ突入するのだが、ちっとも話を書けないし、何も思い付かない苦悩の時間+美しい複数の女性…

『無間地獄 上』

新堂冬樹氏お得意の闇金をテーマとした作品。 『底なし沼』よりもハードで気分が悪くなるのも、無理はないと言える。 というのは、本書は闇金の世界で生きる男を表面的に描いたものではないから。 主要登場人物の1人、桐生という富樫組(やくざ)若頭は、死…

『吐きたいほど愛してる。』

新堂冬樹氏作品を、取り憑かれたように読み漁っている今日この頃。 本書はタイトルに「愛」があるように、恋愛モノかと思いきや、表紙のグロテスクさから予想されるように、毒々しい恋愛混じりのホラー的作品である。 4つの短編から成っていて、1話目に出て…