『ぼうぼうあたま』

大人の読み物よりも、絵本の方が残酷だと思ったことはないか。
年を取るにつれ、そう感じるようになる。
物語の「子どもだからといって容赦しない」感じにハッとする。


子どもの時分は「なぜこの子は泣いてるの」などと、何も分からないで大人へ質問する。
大人はそれに対して「悪いことをして叱られたからだよ」などと答える。
それがつきもの。


『ぼうぼうあたま』にも、そんなやり取りをしてしまいそうなシーンがある。
指を舐めていると、指を鋏でちょん切ってしまうおじさんが、どこからともなくやってくるのである。
親は予め子どもに注意するけれども、指舐めが習慣化した子どもの癖はなかなか直らない。
そして子どもは親の留守中に指を切られてしまうという…


子どもも大人も関係ない。
悪いことをすると罰が当たる。
実はあたりまえのことを、絵本は伝えているのかも知れないとここ数年思うように。

そういう意味で、大人が絵本を手に取るのも、自身の中の芯の部分を見直すきっかけになるのではないだろうか。
これを貸してくれたU氏に感謝。