『疲れない人間関係のヒント』

曽野綾子さんの数多くの著書から選び抜かれた名言集。
編集者の知人からいただいたもの。
私が感銘を受けた言葉をいくつか記すことにする。


①人間は誰でも、自分の専門の分野を持つことである。小さなことでいい。自分はそれによって、社会に貢献できるという実感と自信と楽しさを持つことだ。
→「取り柄がないんだから、取り柄を見つけなきゃダメよ」と昔から言われてきた。
未だに自分の専門などない。
このことは危ういことに違いない。


②おもしろいことに、愚痴でさえ、表現が下手だとうんざりする話になるが、整理がいいと芸術になり得る。
→たとえ愚痴を言っても、それを最後に笑いに変えたり、別の方向へ持って行ける人は嫌われない。
単なる愚痴愚痴人間は引かれる。


③世間をお騒がせして申しわけない、という言葉は、時々聞くのだが、私にはよくわからない。私たちは生きている以上、なんらかの形で他人を「お騒がせ」しているし、日本人がそれほど常に静謐を愛しているとは思われない。
→芸能人の事件、熱愛発覚などが、まさにそうだ。
それだけではなく、一般人も他人の不幸とか事件とか好きではないか。
落ち着いた、何もない日常はつまらない。


心の奥底では思っているけれど、口に出しては言わないとか言えないというようなことが、明確な言葉として紡ぎ出されている本。