『NINE』


サウンドトラック

昔はヒット作を飛ばしていたけれど、近年はコケる作品ばかり発表している映画監督が主人公。
そんな監督が新たな映画を作ろうとし、いざ制作時期へ突入するのだが、ちっとも話を書けないし、何も思い付かない苦悩の時間+美しい複数の女性たちに取り囲まれ、愛されて暮らすという、傍目に見て羨ましい時間が描かれている。


さて、この映画はミュージカル仕立てと言われていたが、本気のミュージカルといっても過言ではない。
歌、ダンス、舞台、迫力、きらびやか、ポップ、ゴージャス、セクシー、美しさ…こんなキーワードで彩られた世界が、映画自体を支配している。
映画館でミュージカルを観られてお得、な作品。


ペネロペ・クルス扮する監督の“愛人”という立ち位置が、凄い。
「愛されたい」願望から、自殺未遂までするほどののめり込み様。


呆れたり、哀しくなったりしたのは、男の性。
自己都合で別れることとなった妻のことを、いつまでもグダグダと想い続けるのは、大抵女よりも男だという(あくまで一般論)。
遊び相手と本命とは、また全然違うんだなと考えさせられもする。


それにしても、ペネロペがセクシー過ぎて危険な香りが漂い過ぎ(笑)。