『1Q84 book3』

【送料無料】1Q84(BOOK3(10月ー12月))

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価格:1,995円(税込、送料別)

かなり「やっとこさ」感満載なのだけれど、『1Q84 book3』読み終えた。
青豆、天吾、牛河の3つの軸でストーリーが進んでいく。
3人の視線の先は分裂していて、いつから同じ方向を見つめるようになるのだろうとハラハラする。


青豆の下へ何度も訪ねて来るNHKの集金人。
ドアの裏側で彼女が息を殺しているのを、まるで見透かしているような言動を取るのには、読んでいるこちらまでも身震いするほどだった。
ぞくぞく、と迫る暗くじめじめした恐怖感。


book1、book2では解き明かされなかったいくつもの謎たちが、本書では序盤はゆっくりとしたスピードで、後半にかけてはかなりアップテンポな調子で、照らし出されていく。
そして1Q84年から1984年へ無事に帰還したのだった。


流石というか、やはりというか、村上春樹らしい丁寧な繊細な性描写で、物語は終焉を迎える。
お約束な感じで、青豆と天吾はセックスして、朝を迎えて、また夜を迎えて“1984年の月”を確認する。


3冊に渡って“付き合い”を重ねると、私も彼らと共にしてきた長い旅が終わった感覚に陥った。
book1、book2とbook3との期間が空いたことで、テンションが僅かに下がった気がするのだけれど、それは私だけだっただろうか。