『闇の貴族』

闇の貴族

闇の貴族

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倒産整理会社を経営する加賀篤は、金しか信じない男。
それは彼の、暗過ぎる生い立ちが影響した結果となっている。


加賀の“ターゲット”が惨殺死体で見つかった。
絞り取れるだけの金を絞り取ることを計画していた加賀だったが、その目論見はおじゃんになった。
犯人を探しに出るが…。


周りの人間は利用するのみであり、消耗品のようなもの。
加賀はそのような思考を持ち合わせていて、2人の部下をプロの暗殺者養成団体へ送り込んだことがあった。
そして、それをもう1度繰り返し――。


人を信じないくせに、自分に従う人間のことは見下し、忠誠心をいつまでも持っていると信じる弱さ。
完璧な鉄の心を持つように見える加賀にも、人間的な脆さがあったということ。


誰もが皆、哀しみを抱えている。
底無しの痛みも。


読んでいて何度も頁をめくる手を止めてハッとしてしまうのだけれど、途中で止まりたくない、スピード感を持って読み終えたい巨大なアングラ界を描いた作品。