『眠れぬ真珠』

眠れぬ真珠

眠れぬ真珠

価格:540円(税込、送料別)

女性の心理をとても細やかに描いた書である。
緻密でやさしい描写が多く、後評に小池真理子氏が書いているように、男性が書いたとは思えないほど、微妙な女心が表現されている。


主人公は、45歳の版画家・咲世子
頻繁に通っている「リキッドカフェ」で、素樹という青年と出会う。
彼は優れた映画を撮影する腕を持っていたが、暗い過去を引き摺り、しばらく休養期間を取っていたのだった。


17歳という年の差があるにも関わらず、2人は惹かれ合うようになる。
ただ、咲世子は「この恋は永遠ではない」ということを常に思って、彼との日々を1日1日大事に過ごしていた…


2人の恋は順調であっても、周辺に“障害と呼べるもの”がたくさん発生していた。
過去の恋人だったり、ストーカーだったり…愛していた相手を巡るいくつもの物語が交錯する。


愛することと愛されること。
切なくなること。
本当に相手を想うからこそ、出てしまう行動がある。
リアルな恋愛をしたいと思わせられる、温かい1冊。