『純平、考え直せ』
 【送料無料】純平、考え直せ |
ユニークで大好きな奥田英朗さんの最新刊。
タイトルにある「純平」は、デビューして間もない若いやくざ（21）で、常にイキがっている。
純平の啖呵がいちいち面白くて笑えてしまう。
トーク自体はそれほど得意でもないのに、怒鳴り散らすときだけは口が達者になるという、非常におかしな性質なのである。
ある日、純平は親分から「鉄砲玉」として重要な仕事を与えられた。
その任務とは、ある組の組員を殺すことだった。
殺人罪となるので十年ほど刑務所に入ることを覚悟しなくてはならない。
しかし純平はその役目を引き受けることとなったのだった――。
最後の晩餐、ならぬ最後の3日間。
純平は、親分から与えられた30万円で銃を手に入れ、残った金でわずかな時間を楽しむこととなった。
その間に思いがけない数多くの出会いがある。
そこで何度か純平の心は揺らぐ。
本当に、決行していいのかと。
本書の中では「ネット掲示板」が大きな役割を果たしている。
純平が出会ったうちの1人・加奈が、純平の状況のことを掲示板へ書き込んだのだった。
それに関して多くの“暇な人たち”が、掲示板で盛り上がる。
彼らの言葉に、純平はイライラしたり踏みとどまったりしそうになる。
最終的に、純平は考え直すのか、考え直さないのか。
思い切り笑いたい人にオススメの一冊。
