『阪急電車』
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映画を観に行ったことで知った本書。
映像を先に見ていたせいか、そして原作に比較的忠実に映画が作られているせいか、2つを重ね合わせていくうちに、するりするりと読める。
舞台は阪急電車。
そこを利用する、お互いに名も知らない人間同士のあたたかい、偶然のやり取りを描いている。
知らない人に注意されたことはあるだろうか。
行きずりの人と話してハッとして何かを気付かされたことはあるだろうか。
「無関係」、「今後二度と関わらないかも知れない」からこそ言えることだったり、空気を作れることだったり、というのはややある。
意図しない出会いを経験したことはあるだろうか。
「ドラマみたい」というコメントは承知だけれど、それがこのストーリーの中にはあるわけだ。
そんなことは、リアル世界に転がっていないわけでもない。
人と人は、出会うべくして出会うもの。
ほっこりできて、泣きそうになり、笑ってしまい、最後はふわっとした気持ちで締めてくれる、とてもやさしい小説。