『婚前特急』
 池下チエ 結婚まであと284日 婚前特急 (リンダブックス) (文庫) / 高田亮/著 |
 婚前特急-ジンセイは17から- 【DVD】 |
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↑ livedoorが運営するyoubride×婚前特急で、面白い企画やってる。
吉高由里子主演の話題作、観に行ってきました。
彼女演じるチエは、同時に5人の男と付き合っている。
年下からおっさんまでと、その相手は幅広い。
男たちに番号を付け、それぞれの合い鍵にも番号を振って管理している。
「5人いれば常に誰かとごはんを食べられる」というのがチエの持論。
そんな中、親友の結婚をきっかけに、チエは自分の恋愛を整理しようと思い立つ。
それぞれの男たちのプロフィール、付き合うメリット、デメリットを書き出していき、最もメリットの少ない男から関係を切っていこうとするのだが――。
チエの彼氏の一人に加瀬亮がいて、彼がキーパーソンになるかと思いきや（メディアで見かけた作品紹介の写真に、彼とチエが向き合っていたものがあったため）、意外にも浜野謙太（SAKEROCK）が1番メインな役をしていた。
彼の空気を読まない、そしてM系気質な演技が最高に面白い。
また、チエの気分屋でたまに暴力を振るう（笑）様子は『猟奇的な彼女』を連想させるほど。
吉高由里子は実に色んな顔を持っている女優さん。
物語は、最初と最後がキレイにリンクするよう、美しい構成で作られている。
そして何よりも、会場が笑いの渦に飲み込まれ、あれほど盛り上がる作品はなかなかないと思う。
涙が出るほど笑えて、また「本当の相手っているんだ」と信じさせてくれる、この時期とってもオススメの作品。
『純平、考え直せ』
 【送料無料】純平、考え直せ |
ユニークで大好きな奥田英朗さんの最新刊。
タイトルにある「純平」は、デビューして間もない若いやくざ（21）で、常にイキがっている。
純平の啖呵がいちいち面白くて笑えてしまう。
トーク自体はそれほど得意でもないのに、怒鳴り散らすときだけは口が達者になるという、非常におかしな性質なのである。
ある日、純平は親分から「鉄砲玉」として重要な仕事を与えられた。
その任務とは、ある組の組員を殺すことだった。
殺人罪となるので十年ほど刑務所に入ることを覚悟しなくてはならない。
しかし純平はその役目を引き受けることとなったのだった――。
最後の晩餐、ならぬ最後の3日間。
純平は、親分から与えられた30万円で銃を手に入れ、残った金でわずかな時間を楽しむこととなった。
その間に思いがけない数多くの出会いがある。
そこで何度か純平の心は揺らぐ。
本当に、決行していいのかと。
本書の中では「ネット掲示板」が大きな役割を果たしている。
純平が出会ったうちの1人・加奈が、純平の状況のことを掲示板へ書き込んだのだった。
それに関して多くの“暇な人たち”が、掲示板で盛り上がる。
彼らの言葉に、純平はイライラしたり踏みとどまったりしそうになる。
最終的に、純平は考え直すのか、考え直さないのか。
思い切り笑いたい人にオススメの一冊。
『ありあまるごちそう』
 【送料無料】ありあまるごちそう |
ヨーロッパやアフリカを舞台に「食、農業、畜産の現場」をディープなところまで切り取ったドキュメンタリー映画。
グロい場面もあるけれど、これは見ておくべきシーン。
たとえば。
ある都市で1日に捨てられるパンの量は、別の都市で1日に消費されるパンの量に匹敵する。
ヨーロッパでは小麦の価格破壊が起こり、中には“燃料”として使われていることもある。
タマゴから若鳥になるまで育てられるニワトリは、たくさん飼わないと暖房費・施設費などの関係で採算が取れない。
そういう点で、そのニワトリたちの生涯は常に他のニワトリたちと共にぎゅうぎゅう詰めにされ、劣悪な環境で育てられる。
特に印象的だったのは、大量に孵化室へ入れられた玉子のケースにヒヨコがこれでもかというくらい溢れ出ていたこと。
そこからまるで商品が製造ラインに乗っているかのように、運ばれていく。
生まれたてのヒヨコが、だ。
最初の方は、映画タイトルの「ありあまるごちそう」で、徐々に「生き物が私たちの口にする食べ物になるまで」が展開されていく流れ。
世界の現状をあらゆる国のあらゆる人々が見れば「システム」は変わっていくのかも知れない。
『GANTZ』
 ★送料無料！×全商品ポイント3倍★【新刊漫画】ガンツ GANTZ (1-30 続巻）コミック全巻セット ... |
原作は漫画『GANTZ』。
一度死んだ人間たちが集い、謎の存在「GANTZ」から指示された標的を倒しにいくストーリー。
標的（敵）を倒した人には点数が与えられる。
その点数は1度に5〜20点くらいの幅なのだけれど、点を積み重ねていき、100点になれば2つの選択肢から自分の希望する方を選ぶことができるというシステム。
二宮和也と松山ケンイチのW主演は豪華。
映像がグロいからさすがにPG12かと。
そのおどろおどろしさにも関わらず、笑いどころもきちんと用意されている。
ハラハラドキドキ。
イイ運動かも知れない。
注意してほしいこと。
エンドクレジットが始まっても、席を立たないでほしい。
重要な続きがあるので。
4.23には完結編が公開開始。
これを観るとそれまでそわそわしてしまうこと間違いない。
みんなが「面白い」とこぞって高評価していたことに納得。
『アドガール 大手広告代理店新人日記』
 【送料無料選択可！】アドガール 大手広告代理店新人日記 (単行本・ムック) / 伊藤春香/著 |
「はあちゅう」として大学在学中から有名人だった、伊藤春香さんのエッセイ。
超大手広告代理店で奮闘する様子が、かなり面白おかしく描かれている。
笑えます。
やばいです。
外で読むのはオススメできません。
怪しい人に見えたくなければ、家の中で孤独に読むことを推奨。
読んでいて、自分も新卒の頃、毎日すべてが新鮮でキラキラしていたなと思い出す。
「NRって何すか？」
「リスケって…？」
聞くに聞けないワードの数々。
ググりましたとも。
新入社員として春から会社に入る人には、飲み会マニュアルとか、社会人の常識キーワードなど役に立つハズ。
新人は大変な分、勉強になる期間さ。
個人的に、伊藤さんと妹さんとの絡みが激しく面白い。
「元彼データバンク」という章では、伊藤さんが忘れているような（ひどっww）元彼の存在・情報をも、妹さんは忘れず把握しているということが書かれている。
「うちと同じやー」と勝手に共感して、親近感。
他にも、お母さんネタ、会社の先輩とのネタなどなど…愉快なオチのある話ばかり。
本書全体が、ネタ帳。
伊藤さん自体が、魅力的なネタ帳みたい。
ますます、はあちゅうさんこと、伊藤さんのファンになってしまう本。
ステキです。
『恋とニュースのつくり方』
 【送料無料】恋とニュースのつくり方 |
あの『ノッティングヒルの恋人』の監督ロジャー・ミッシェルが監督。
なるほどな、と思ったのは、脚本は『プラダを着た悪魔』のアライン・ブロッシュ・マッケンナだったこと。
プラダ〜色を感じ取れたから。
主人公は、テレビ局に勤める仕事一筋な28歳の女性。
起床時間は1:30！
そして常に視聴率のことを気にしていて、常に会社からの電話が鳴って落ち着かない。
そのため、男性とデートに行っても電話を手放せないし、会話は仕事のことばかり。
そういうわけで、なかなか彼氏もできない。
そんなあるとき、彼女は長年勤めた会社を解雇される。
理由は、彼女より安く働いてくれる人員が入るため。
落ち込んでいられない彼女は、プロデューサーとして新たに働けるテレビ局の面接を受けまくる。
内定をもらったところは、視聴率が最下位のニュース番組。
視聴率を上げるために奔走する日々が始まる。
追いうちをかけるように、番組のクローズが言い渡される。
半年以内に視聴率が上がらなかったら打ち切りだ、と。
彼女が取った方法は――。
主人公がどんどんキレイに洗練されていくのが、プラダ〜っぽい。
やはり、仕事を頑張っていると、その姿を見てくれている人は必ずいて、イイ恋に結び付くってこと。
イイ恋愛をしていると、女は美しくなる。
傍目に見て明らからしいから、これホント。
追記。
最後のあたり、かなりの感動シーンがあるので、ハンカチをお忘れなく。
『Nのために』
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たくさんのNが登場する。
というか気付けば、登場人物全員がN。
「まったくの他人同士であったNたち」が、お互いにかばい合い、罪を被るような行動へ走る。
「愛とは罪の共有」だと唱える女。
「傷め付けられることが愛」と思い込んできた男。
歪んだ思考へは誰がした。
育ってきた環境のほか、何があるだろう。
そういうことだから、彼らの思考の何もかも、否定できなかった。
回想と現在を、登場人物たちが順番に語っていくしくみ。
一体誰が誰を直接的にかばおうとしているのか。
どう嘘を吐いたのか。
どう行動したのか。
一瞬複雑に思えて分からなくなるのだけれど、矢印の向きを考えつつ読めば頭へすんなりと入ってくる。
悲しい話だと思う。
ただ、強くもある。
