『THE MANZAI 1』

主人公・瀬田歩は、クラスの人気者・秋本から「お付き合い」を申し込まれた。
(注・どちらも年頃の男の子である)


しばらくした後で、以下の事実が判明した。
「こいつの趣味は…もしや」と後ずさってしまう歩だったが、秋本の表現が“誤解を生んでしまうもの”であるだけで、実際は一緒に漫才のコンビを組んでくれ、というものだった。
そして、その最初の舞台は文化祭での劇出演となる。


自分はすこしも目立つことはない、と歩は自分自身のことをそう考える。
だから何故、皆から人気のある秋本が、自分と違い過ぎる秋本が、自分のことを「おまえは特別なんだ」と言って評価してくれるのかが分からないのだった。


昔の私は歩と似たようなところがあった。
結構恥ずかしがり屋で、緊張しいで、誰かに認められると「何で?私は何の変哲もない、目立たないヤツなのに」と疑問に思い、困惑する。
そんな時期もあったなぁ、とあさのあつこさんの青春時代甦らせ力を尊敬するのだった。


さて、歩と秋本は山あり谷ありな日々の中で「煩わしい大人たち」と絡みながらも、無事に文化祭を成功させる。
歩の中にわずかながらもスッキリした気持ちがすこし生まれ、第二巻へと続いていく。