『1Q84 Book 2』

1Q84 Book 1』を読み終わってすぐこちらへ手を出した。
貪るように読まずにはいられなかった。


1のときも、天吾はふかえりのことを、時折「性的な存在」として見ていた。
どうしても、彼女の美しさと大人びた雰囲気が、そうさせてしまったのだ。
普通の男なら、仕方のない事象といってもいいような。


2では、何となく予想していたことが実現する。
しかし、とても異様なかたちで。
17歳のふかえりと、一回り以上年上の天吾は「儀式のようなセックス」をする。
ふかえりが、天吾を導いたようなものだった。
「わたしはにんしんしないから」と言うふかえり。
彼女の子宮は、実の父親によって破壊されていた。
妊娠すら、もうできない。


このシーンは、私にとって半分口あんぐり、半分嫌悪感を抱くようなものだった。
いくら「儀式のような、一見神聖なセックス」であろうと、17歳女子とおじさん―17歳にとって30歳はおじさんに思える―が交わりあっているという、とても問題な場面。
こんなこと考えていいの、と思ってしまうほどだった。


これだけではない。
本書では、青豆が人生で2番目に心を許した女友だちが殺されたり、青豆がこれまで以上に最大の課題を処理して逃亡したり、天吾と再会すれすれまでいく、というふうに、めまぐるしく「1Q84」という年が過ぎていく。
ふたりは限りなく近いところにいて、今すぐにでも会えるようなのだけれど、それでも“何者か”がふたりを引き裂いているように思える。


もう「1984年」には戻れない。
開けた蓋を、再び閉めることはできない。
1Q84 Book 3』で、どんな結末が待っているのか。
まったく想像がつかず、待ち侘びるばかり。