『大人げない大人になれ!』

タイトルに惹かれてつい手にとってしまったのと、著者が私の母校の先輩だった点で、勝手に親しみを持ったことから購入。
また著者はマイクロソフト日本法人で、2001年まで代表取締役を務めていた人でもある。


著者の言う「大人げない大人」というのは、具体的にどのような人について指すのだろうか。
一言で言うと、独自の世界を突き進む人のこと。
彼らは純粋に、自分の好きなことを我慢できない。
だから、やりたいことへ手当たり次第に挑戦する。
その例として、ホリエモン孫正義氏が挙げられている。
欲しいものを何でも手に入れるための行動をしてきたホリエモン、たった1年でゴルフのシングルプレーヤー(上級者)になった孫氏(彼は一時期、プロ以上の練習量をこなしていたという)。
世の中で飛び抜けた存在である人というのは「普通」「人並み」「そこそこ」という言葉とは対極にある人なのだ、とあたりまえだが重要なことを認識した。


本書には「一般的にこうした方がいい」と言われることとは対極的な内容が数多く書かれている。
たとえば、この5項目。
・目標を持ってはいけない
・期限ぎりぎり体質は悪くない
・自分を変えるなんて無理
キャリアプランは持たない
・資格を頼りにするのはやめよう


著者は目標について、周囲の状況はどんどん変わるというのに、その中で自分だけ変わらないのはおかしい、と主張する。
目標によって自らを縛り付け、不確定な未来に振り回される、と。
目の前のことに集中し、変化を察知したときに次なるベストを探して行動しよう、というスタンスを勧めている。
そもそも、会社などで立てる目標は外部・内部環境などいくつかの要素をもって検討し、現状を見据えた上で達成可能またはすこし高めの値を設定するものだ。
これは「何となく納得できるかも」というところに着地していて、実に意味がない、という。
すべての目標が無意味だとは思わないが、ぎちぎちに固定化させる必要はなく、変化へ柔軟に対応させていくという考えを持つようにしたいと感じた。


その他、子どものような大人が魅力的なワケが書かれていたり、とにかくありふれた意見への「反」が展開されている。
「新しい考え」を吸収したい方へオススメ。