『サマンサタバサ 世界ブランドをつくる』

「ブランド」の「価値創造の現場」は、ブランド物(手当たり次第にではなく、特定のブランドのことを言う)好きな私にとって、かなり興味深い。


著者の寺田氏は、新卒入社した会社を3年で辞め、独立した。
なんと、その思いは中学時代からあったそうだ。
「サラリーマン生活は3年に限る」と、強い意欲を持っているからこそ、働く人の気持ちを学べる。
会社で生活する上でのプラス、マイナス、憧れの先輩とそうでない先輩との違い、どんな言葉をかけられて意欲が沸くか、ということを豊かな感受性を維持しながら、受け止めていったのだとか。
「自分は会社へどのように貢献し、逆に会社からは何を得るか」を、常に考えて働くようにしたい。


「うまくいかない」、「まだまだ」と思っているときこそ、チャンスだと、著者は語る。
「俺は100%やったんだ!」と言う人に限って、実はそうではない。
現状で満足していると、成長の道標が消えてしまう。
「では、これをすればいいのでは?」と新たに物事を考えること―そうすることで、日々改善していくことができる。


モノ作りから、販売まで。
その道のりの中では、多くの段階があって、大勢の人々が関わっている。
いかに彼らと“ビジョン”を共有するかが大事なこととなってくる。
現代社会で、多くのブランドはメーカーより「上」な構図があるけれども、横一列の関係を作ることで、お互いに同じ目標へ向かって動いていくことができる。
確かに、何も知らずにただ商品を生産するだけというのは、あまりにも無機質。
メーカーからもブランドへ対して積極的に提案できる―そんな環境作りから、素晴らしいモノ作りができていく。


明確な目標を持ち、嘘を吐かずに、素直に生きること。
それを教えてもらった。
ありがとうございます。