『チーム・バチスタの栄光 上』

心臓移植代替手術の天才外科チーム「チーム・バチスタ」は、マスコミでの扱いも大々的で、その道の権威でもあった。
選び抜かれた最高のメンバーで、構成されていたのだ。
しかし、3件連続で術中死が起こる。
トップとしてメスを握る、超人的な技術を持った桐生医師は、どんなに振り返ってみても原因を掴めない。
そこで、院内で出世コースをはずれてはいるが、「不定愁訴外来」を立ち上げた、一国一城の主的存在の田口(主人公の1人)に、調査を依頼する。
田口はチーム全員への聞き取りを開始し、手術の現場に立ち合う。
そこで、また新たな1つの死が生じてしまう…。
「殺人」を疑う田口。
そして、下巻に続く。

初めて海堂氏の小説を手に取った。
医療系エンタメ小説は、久坂部羊氏くらいしか今まで読んだことがなかった。
『廃用身』は若者だった私には、衝撃的過ぎた。

主人公のキャラクターがいい。
容易に想像できる。
身近にいる感じがする。

一種の“孤高”を演出している人である、という点がいい。
おもしろさを入り混ぜた作品。
下巻に手を出しているが、展開にハラハラしそうな予感。