『自転車で東京建築さんぽ』
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実は建築物を見るのが好き。
本書は東京都内の、明治〜昭和に建てられた建造物、ランドマークを巡るお散歩コースを紹介している。
普段何気なく見ている目印的な建物に刻まれた、歴史的意味合い・背景をこれまで考えてこなかったな、と読んでいて気付いた。
ただ、見て観察して満足するだけだった。
たとえば東京タワー（正式名称は「日本電波塔」）について。
特別展望台〜てっぺんまでの鉄には、朝鮮戦争で残ったアメリカ軍戦車をスクラップしたものが使用されていた、なんてあまり知られていないのではなかろうか。
良質な鋼材が不足していた当時の日本。
そして、国に持って帰ることは面倒だと感じていたアメリカ。
両国の思いが巧く絡み合った結果で生まれた、ともいえる。
東京タワーはほんの一例。
日本にはまだまだ多くの古い建物、歴史を秘めた建物があるのだと思うと、その背景を知らずに見ていくのはもったいないと感じるようになった。
散歩をさらに“深く楽しめる”ようになる本。
