『サラリーマン合気道』

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価格:560円(税込、送料別)

本書にはサラリーマンとして生きるにあたり、普通であれば推奨されないこともいくらか書かれている。
しかし、何を以って普通というのだろうかね。
それを考えると別の話に飛んでいってしまうので、普通=一般的、大衆的というふうな意味で置いておこう。


著者の箭内氏は元博報堂のクリエイター。
今は独立して「風とロック」という会社を経営している。
彼は実に順風満帆な人生を歩んでいるように見えるものの、意外と山あり谷あり日陰ありの人生を送ってきたという。
3浪し、7年間うじうじと悩み続けて仕事をしてきたという「うそぉ?」と言いたくなる感じの生き方をしてきたそうだ。
きっとその悩みもハイレベルなのだろうけれど、この人でもそんなふうにくよくよすることがあるのかと親しみに似たものを感じる。


タイトルにもある「合気道」。
皆さまご存知の通り、相手の力を利用して、相手に技を掛けたり投げ飛ばしたりする軽やかな武道。
それだけではなく、もう1つ忘れてはならない重要な要素がある。
それは「脱力感」と「ゆるさ」。
“いい意味で、力を抜いて生きること”が説かれている。


会議には出ない。
会社に居ないようにする。
同僚と仲良くしない。
メモを取らない。
オンとオフの切り替えをしない。
一見すると「ん?いいのか?」と思う事柄ばかりが書かれている。
しかし、突拍子もないことを並べて本に衝撃性を持たせようとしているのが、この目的ではない。
緻密に計算されたからこそ、深いところまで見ているからこそいえること。


仕事に「自分の想い」を入れ込む、という話も印象的だった。
格段に今の仕事が楽しくなるコツといえるだろう。
脱力と工夫次第で生き易くなる世の中である。