『蛇にピアス』

かなり昔に本を読んだとき、吐きそうになった。
性描写が暴力的で、身震いするしかできなかった、あの若い頃。


大人になって、そして映画化されたのに見逃していた作品を、最近になってようやく観た。
吉高由里子主演で、しかも「超脱ぐ!」というので話題になっていたのを記憶している。
確かに脱ぎシーンが多くて、AVみたいな場面が目立つ。
「アマ」が男たちをボコボコに殴るシーンでは、暴力が惜しみなく描かれている。


痛みを感じることが、生きていること。
そのために主人公「ルイ」たちは、身体を改造していく。
その瞬間の痛さは、後になって彼らの生きている証へとなっていく。


本名を知らない。
ルイとアマの関係は、“普通”とは言い難い。
しかし、彼女が彼を失ったとき、猛烈な喪失感が彼女を襲う。
彼らがつながっていたのは、痛みのススメと共有という部分でだった。
それがいつの間にか大きなものとなっていき…


それにしても、この作品は1人で観た方がいいかも(笑)。
2人で暗くなるのは、よくない。