『リクルート事件・江副浩正の真実』

先輩が勧めてくれたのがきっかけで、読んでみた。
大学時代、法学部…しかも法律学科にいたというのに、ろくすっぽ勉強していなかった私は、理解力が遅く、読むのに時間がかかったのでした…かなりとほほ、な感じ。


特捜。
その響きには、カッコいい、エリート、正義の味方といった所謂「正の印象」ばかりが付随していた。
いくつものメディアによって作り出された、映像的イメージがそこに起因している。
そして、大学で検察の先生から生講義を聞いたことがある私は、特に彼らのキラキラした溌剌とした姿しか、思い浮かばない。


暗部は知らなかった。
闇は、暗さを知らない者には見えてこない。


メディアと検察。
彼らのリアルな関係性を知らなかった。
最近の小沢一郎報道で、ようやく知る機会が出てきた。
受け身でいても入ってくる、洪水のような量の情報。


おかしなことに、特捜はメディアの報道を見て、それに合わせてシナリオを作り、被疑者を脅したり泣きついたりして何とか調書に署名させる。
もはや、劇のよう。
取り調べで、シナリオ?
首を傾げずにはいられないけれども、特捜の検察官も上からの命令には逆らえない。
是が非でも、起訴に持ち込むための土台がしっかりとした調書を取ってこなくてはならないのだ。


描いていた世界と、異なっていた。
そういう感想を持って、検察から弁護士へと職を変える人は数多くいるらしい。


有罪率99.6%。
これはどう受け取っていい数字なのか。
本書を読んでから、見方が変わった。


本書は、20代半ばくらいまでの人は疎いであろうリクルート事件のことが、詳細に書かれている。
リクルート事件、そして裁判自体が想像以上に長引いていて驚いた。
小沢VS検察の構図が、日本で引っ張りだことなっている現在、検察の実態を知るのに勉強になった。
先輩、ありがとうございます。