『風が強く吹いている』


↑本


↑漫画


灰二は走(カケル)を寛政大学陸上部へと入れる。
「これで揃った」。
この言葉の意味は、これで箱根駅伝は夢じゃなくなった、ということだった。


弱小過ぎる陸上部は、これまで形だけ存在していた。
走ることすらサボっている部員もいた。
そんな陸上部らしからぬ彼らだったが、灰二の「箱根へ行こう!」という言葉で立ち上がる。


途中、何度もぶつかりあう10人。
「こんなに生ぬるい状態で、箱根へ行けるわけないでしょう!」と怒る走。
そして、走り始めた王子を責める。
やさしい灰二だったが、走を叱った。
「王子に、漫画を好きになるように、走ることも好きになればいいと言ったじゃないか。それを忘れちゃいけない」
灰二のおかげで、チームはまとまっていく。


選手兼監督兼マネージャー兼料理人兼下宿管理人―これが灰二の役目だった。
どんなに自分が大変でも、それを表情に出さない。
たとえ、過労で倒れても。
「みんなに能力がある」
灰二は、各々のすぐれた部分を見抜き、それを最大限に活かそうと考えていた。


予選会9位で、箱根への切符を手に入れた4人。
あっという間に、本番がやってきた…。


箱根になど行けるワケがない―そう思われていたチームが、ぎりぎりで予選会を勝ち抜き、ぶつかり合いながらも成長していく物語。
笑わせる要素あり、泣かせる要素ありの盛りだくさんな内容となっている。
最後、1位でゴールという奇跡過ぎる結果には描かれていないところにリアリティがある。
いい終わり方をする。


チーム全員の士気をどうやって高め、どうやって最高の力を出せるチームにするか。
灰二は素晴らしいパフォーマーだった。
惚れる!
コーチングをできるひとになりたい、ひとに何かを教えて何かしらプラスの影響を与えたいと思うようになった。