『カイジ 人生逆転ゲーム』

伊藤カイジはアラサーのフリーター。
だらだらとその日暮らしをしていたが、「自分はこんなんじゃないんだ」と思って自分を誤魔化すことで、結局は変わろうとしていなかった。
そんなある日、カイジが連帯保証人となっていた、友人の借金を肩代わりさせられることになってしまった…。
自分の生活すら危ういカイジに、大金があるハズもない。
しかし、取り立て屋の女社長に1つの提案をされる。
それは「船に乗り、ゲームに参加すること」だった。
数日後、カイジは「エスポワール(フランス語で“希望”の意)」という巨大な船に乗り込む。
そこで目にしたのは、多くの「負け組」の男たちだった。
逃げるばかりして、甘い考えで生きてきたどうしようもない人たち…。
その中で、カイジを含む勝負に負けた男たちは「核施設」を作る作業に駆り出され、借金を返済するまで地下で労働し続けることとなった。
問題なのは、労働の指揮・管理をする側が、彼らをそこから一生出させない仕組みを持って飼い慣らしていたということだった…。


あらすじが長くなってしまった。
見どころの1つは、ビルとビルとの間に張られた鉄の板の上を渡るシーン。
平均台だと思え」という言葉を携えるが、そんなことは意味を為さないほど恐ろしいし、何人もの挑戦者が何百メートルも下の地上へ落ちて行く。
友情出演している松山ケンイチが「誰にも頼れねえんだよ! 自分で進むしかねえんだよ!」と悟っていたが、本当にその通り。
1人の人間の人生は、色々な人々に支えられてはいるけれども、結局人は1人なんだ。
問題を解決する際、最終的には、自分で何とかしなくてはいけない。


終盤に、カイジ利根川が「Eカード」で勝負をするシーンもおおいに注目したいところ。
本作品で出てくるゲームは、すべてシンプルにできている。
その点が、難しくなくていい。
作品の細かい部分に注目できるから。
裏をかいたり、緻密な作戦を考えたり…とカイジは実は頭がいいんじゃないのか、だったらそれを活かそうよ、と思った(笑)。
しかし、あれは窮地に陥ったときだからこそのものかも。
「ピンチのときこそチャンス」とよく言われているし。


最後に。
カイジを演じる藤原竜也の叫ぶシーンが多いこの作品は、ハラハラすること間違いない。
それだけではなく「自分で、変わらなきゃ」と思わせてもくれる素晴らしい作品かと。
天海祐希香川照之の2人がかなり怖い役を演じていることにも注目。


公式HPもおもしろい!
http://www.kaiji-movie.jp/index.html