『性遍歴』

誰しもが、他人にとっては「変なの」を思われる性癖を持っているものだと思う。
性癖というか、癖全般といってもよいけれど。


女装癖のある男の話がある。
普段の男は、エリート編集者、父、夫としての顔を持つが、実はこっそり女装して街を歩き、知らない男に抱かれることが闇の日常となっていた。
しかし、本当に彼を「女の子」として愛してくれる男などいない。
そのことに空虚さを覚えている。
それでも彼は、外見を女の子としてパッケージングし、通りを闊歩する。
「女の子」な自分を愛してくれる人を探して。


世間で生きやすくしたいがために、自分を押し殺してる人がどれほどいるだろうか。
私は果たしてそうなのか、と考えさせられた。