『すべては一杯のコーヒーから』

タリーズコーヒーインターナショナルの社長が書いた、日本でのタリーズ立ち上げから現在に到るまでの話。
社長の松田氏は、父親の転勤を理由に、子ども時代から海外各地で暮らしてきた。
そのため、普通の日本人とは違った感性や考え方を持っているようだ。
大手銀行の銀行マンという道を捨て、心底惚れ込んだ珈琲を日本で広げようと決意。

彼は店をどこに出すか決めるとき、1日中ターゲットとした物件をチェックしていた。
足を運び、自分の目で見て、数値データを整理し、皮膚感覚で情報を受け取るのだ。
「モノを売るためには、ターゲットとなる人々のことを理解しなくてはならない」と言うが、それに類似した事柄ではないだろうか。

人は皆、何かしら意味を持って生まれてきた。
今まで生きてきた道を振り返ると、人とは違う「きらりと光る何か」があるはず―彼はこう主張する。
経験を活かそう。
そして、更に経験しよう。
過去に蓄積された自分と今の自分。
それらを合わせた私には、私にしかできないことがあるのではないか。
そう考えさせられる本。