『重力ピエロ』


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大学生の兄・泉水と高校生の弟・春。
彼らは辛い過去を抱えていた。
17年前に起きた連続レイプ事件―その被害者のうちの1人が2人の母親だった。
春はレイプ魔の子どもだと、幼い頃から周囲の意地悪な人々に言われ、傷付いてきた。


あるとき、不審な連続放火事件が起こる。
泉水と春が事件の真相を調べていくと「グラフィティアートが描かれたところで必ず不審火が出る」という事件の共通点が浮き彫りになった。
遺伝子研究をしている泉水は、グラフィティアートで描かれる単語の先頭文字が、遺伝子配列を表していることに気付く。


レイプ事件加害者の男が、2人の住む町へ戻ってきたとの情報が入り、泉水は男へ接触を試みる。
そして、春と男との遺伝子を照合する…
ショックな結果を得た泉水は、1人の女の子と出会う。
彼女は春の追っかけで、重要な情報を握っていた。
グラフィティアートを描くのも、消すのも、放火も、春がしているのだと。


春は「浄化」をするために、一連の行動をしていた。
火には浄化作用がある。
連続レイプ事件が起きた場所をすべて「浄化」するまで、春の行動は終わらなかった…


何故、自作自演の放火事件に、兄を巻き込んだか。
兄にも「浄化」と関わってほしかったのだろう。
だからわざわざ、兄が興味を持ってくれるように、遺伝子を暗号とした。
美系の弟と、まったく似ていない兄。
絵の才能があり過ぎる弟と、そうでない兄。
2人は比較され「どうして違うんだろうね?」と、無遠慮な人たちから言われてきた。
そんなふうにしたのは、レイプ魔だ。
だから、殺すほど憎み、実際に殺した。


最後あたりに「楽しく生きてたら、重力なんて吹き飛ばせちゃうよ」という台詞が出てきた。
そこで、涙がだーっと流れた。
それ以外にも、泣きそうになる場面が多い。
「俺たちは最強の家族だ」という力強い言葉が2回出てくる。
重いけれど、明るくて、ガンジーのすごさ―ガンジーの名言が多々出てくるため―を知ったいい作品。