『チーム・バチスタの栄光 下』

連続術中死の原因を調査していたが、行き詰ってしまう田口。
答えが一向に見えてこないのだった。
そこで田口と2人3脚で問題解明をするため、送り込まれてきた男・白鳥。
彼は厚生労働省の役人かつ医師免許を所有、そして明晰な論理的思考を持った頭のいい男。
しかし、かなりの変人でキャラが濃く、生き物で言うならば“ゴキブリ”を連想させるという、あまりいいイメージではない人物。
奥田英朗の『空中ブランコ』に登場する変人医師・伊良部と、キャラが似ている。
伊良部の「人をぎょっとさせる技術」は、もはや才能。
それでいて愛される。
白鳥も結局は、“何だか憎めない変人”なのだ。
さて、田口と白鳥のコンビは、お互いの不足分を補い合う関係に思われた。
当初の田口の予想通り、手術中に大胆にも「殺人」が行われていたことを2人は暴く…
大学病院に巣食う権力闘争、いがみ合い、面倒くさい事柄の数々を浮き彫りにする本。
なんと、海堂氏は現役の医師だという。
次は田口&白鳥コンビの第2弾『ナイチンゲールの沈黙』を読もう。