『友がみな我よりえらく見える日は』

友がみな我よりえらく見える日は

友がみな我よりえらく見える日は

価格:520円(税込、送料別)

マンションから落下して不自由な身体となった公務員、40歳を過ぎても男性と付き合ったことのない地味なOL、時代の流れからなくなりつつある専門職を誇りをもって続ける女性…本書はノンフィクションだ。


どれも決して幸せな話ではない。
どちらかというと不幸せなひとたちのストーリー。
お金があるわけでも、誰かが近くにいるわけでもない。
「淡々とした孤独の様子」が伝わってくる。


著者は取材をしている。
得られた話をそのまま活字にしている。
飾ることもなく、ただひたすら文字に起こしているという感じ。


幸福な話ではないのに読んでいて暗くならないのは、どこかに温かさを感じられるからだ。
終わりがすべて、すこしの希望を残したものだったり、人々は後ろ向きに生きてはいないということが伝わってくるから。


私は幸せな人間の部類に入るじゃん、ということを再確認して明るく生きていくために読むのもアリな1冊。