『君に届け』

君に届け(1)

君に届け(1)

価格:410円(税込、送料別)

↑漫画

知人から「すごくイイ!」と聞いていたので、映画を観に行った。
多部未華子演じる「黒沼」は貞子と呼ばれ、皆から避けられる存在だった。
入学式の日に、三浦一馬演じる「風早」に高校へ行く道を教えることから、2人は出会う。


詳しく書くことは避けるけれど、とてつもなく純粋な青春恋愛映画である。
今時こんなにピュアな高校生が居るのかと疑問に思うほど(一般的でないことは確か)。
ちょいちょい他の人の“無邪気な邪魔”が入ったり、「黒沼」が素直で真っ直ぐで、恋愛感情の「れの字」すら知らないことから、なかなか前に進んでいかない。
「風早」の想いは、彼女に簡単に届かない…。


ところどころ、泣きどころが用意してある。
それは観客に過去の甘い思い出を甦らせたり、登場人物の気持ちに明らかに重なる部分を見出すことから流れる涙。
何年も想い続けて、好かれるように努力して、どんなに可愛くなろうとも、想いは届かないことがある。
「なんで?」という理由を訊いても仕方のない、根本的な問題。
矢印がそれぞれ違う方向に向き合ってしまう、というのはよくあること。
「友だちなんて、いつの間にかなってるもんなんだよ」というシーンも素晴らしい。


「付き合って」と言われても「付き合う=これから何処かへ行くのに付き合う」と勘違いするほどウブな子である点。
皆から避けられている子が、爽やかイケメンから実は長い間想われていた点。
これらはファンタジーな部分。
それと反対に、上に挙げた「解決しようのない問題」なんかはリアルな部分。
ファンタジーとリアルが融合した作品。


「付き合ってほしい」「俺の彼女になってほしい」
こんな台詞を三浦春馬から言われたら1秒で返答する。
そうコメントすると「それ、反射やろ!」と突っ込まれたけれど(もっともです)、実に若くてキラキラしていた頃を思い出せる、観て良かった映画でした。