『女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?「承認されたい自分」の時代』

女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?

女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?

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近年、キャバ嬢は女子が就きたい職業の上位にランクインするようになった。
それは何故なのか、について本書では分析している。


理由の一つに、現代が「格差社会」であることが挙げられる。
ムリして大学進学をさせる家庭があったり、両親が離婚して裕福な暮らしはできなかったという家もあったりする。
せめて大学の学費は自分で稼ごう、という若者も結構いるのだ。


もう一つの大きな理由としては、「認められたい」という願望の現れがある。
人は誰しも、他者から必要とされていたいし、そのような存在として認めてほしいと思う生き物。
キャバ嬢になってお客からウケるということは、すくなくとも「女として認められた」ということになる。
また、自分を指名してくれるお客がいると、さらに「承認された感」は高まっていく。


かわいい、目がきれい、話してて楽しい、和む、癒し系だ…などは、「この娘を口説いてどうにかしたい」と目論む男性たちの口グセのようなものだけれど、とにかくチヤホヤされることには間違いない。
現実世界では大して持ちあげられなくても、店内では、キャストでいる限りは、姫のように扱われる。
それでいて、時給が良いし、労働時間も短い。
短期間でがっつり稼ぐにはもってこいの職業なのだ。


著者の三浦さんは、データを多用した書籍作りに長けている方。
本書にも膨大なアンケートデータが集約されている。
それを見るにあたり、キャバ嬢志願者・現キャバ嬢(専業、兼業共に)経済観念がしっかりした若者とそうでない享楽主義に流れやすい若者の2パターンに別れることが読み取れる。
早くも「老後のために」「老後が不安だから」と、先過ぎる将来を見据えて貯金をしている子が、意外と多く見受けられるから驚き。


若いときにしかできないから、キャバ嬢になりたい。
こんな意見もあるけれど、実にもっともな話。
生きている間に、できるだけ多様なことを経験したいなら、1度は挑戦してみていいと思う。