『BANDAGE』


↑CD+DVD


↑オフィシャル本

今日は公開初日だった。
劇場予告で観て勝手に解釈していたのと、話はすこしばかり違っていた。


LANDSというバンドでボーカルをしているナツ(赤西仁)は、あるときアサコ(北乃きい)と出会う。
ナツはアサコのことを気に入って、あらゆるところへ連れ回すようになる。
LANDSのマネージャーユカリは、高校生のアサコが仕事場をうろうろすること気に入らず、彼女と不仲な状態になる。
しかし、倒れたユカリの看病をアサコがしたことで、2人の関係性は良いものとなる。


いつしかアサコはユカリと共に、LANDSのマネージャーとなってスケジュール管理などを仕切るようになった。
LANDSは「元気」という曲で、ヒットを飛ばす。
多くのバンドが生まれては消えて行く…そんな90年代初頭では、1曲大ヒットしたものの、すぐに日の目に当たらなくなるというケースは多かった。
彼らもそのタイプだったように思われた――。


ナツはアサコに好意を寄せるが、アサコは彼を拒否する。
バンドのメンバーで多大なる才能を持つユキヤが、アサコとキスしたことを知り、ナツはキレる。
無理矢理迫ったところ、アサコに頬を張られ、やり返す。
「女を殴っちまった」と、最低な自分を笑う。
アサコはナツと出会う前、曲を聴いていたときから感じていたことを告白する。
自分のことが大嫌いだ、と。
自分と似ているあなたのことも大嫌いだ、と。
うじうじしているところ、頼りないところ、そういうところが大嫌いなんだ、と。
そうして、アサコはマネージャーを辞めた。


数年後、アサコは高校時代の友人ミハル(杏)のマネージャーとなっていた。
ミハルの歌の才能を発掘し、音楽プロデューサーへ売り込む。
それはミハルの歌声を聴いてすぐに、ではなかった。
「市場へ出し、受け入れられるまで育てる」というプロセスを踏んだ後の行動。


そこで、LANDSのマネージャーユカリとドラマチックな再会を果たし、ナツの収録現場で涙を流す。
最初にナツの歌声を聴いたときに泣いたのと同じように。


生きていると、誰かが誰かに影響を与えている。
私も誰かに影響を与えられ、変化している。
ひょんなことからつながったもの、知り得たものが、その後大きく自分の人生へ関わってくるようになる。
そういう「必然的な偶然」というのは、物事でも人物でも存在しているのだと感じた。
「不思議なのだけれど、起こり得ることなんだよなぁ。うんうん」と頷きつつ、映画館を出た。