『そんなんじゃクチコミしないよ。』

ウェブはバカと暇人のもの』から波状して、読むことにした本。

ペイパーポストって、本当のクチコミじゃないよね。
アルファブロガーがいなくても、売れるもんは売れる。
そういう旨のことが書かれたブログが、編集され書籍化されたのが本書。


私もペイパーポストをするべく、だいぶ前にある会社に登録した。
テーマを提示され、自ら応募し選ばれると記事を書く。
それでもらえる報酬は100円〜。
しょぼいものだ。
「瑣末なものだ」と思っているから、適当に「このカメラは超キレイに撮れます+α…」などと書いて終わりそう。
実は登録して以来、1度も応募したことがないのだ。
それだけの金額のために、わざわざ興味のない話題を書くことが億劫で。


しかし、世にはまったくその分野に詳しくもないし、それを使ったこともないのに、自らのブログに「この商品はこういうところがスゴいんです♪」などと書く人が多いらしい。
ある程度「誰が書いているか」という得体の知れる情報源を、人は信用してしまうもの。
特に知人が書いていると信憑性がある。
しかし、その知人も小銭稼ぎのために書いているだけの、薄っぺらい内容かも知れないのだ。
まったくもって「正しいクチコミ」だとは言えない。


某コスメ情報サイトに書かれているクチコミも、企業関係者が書き込んでいる、という噂がある。
クチコミはそれだけ「信じられやすい」という幻想ができあがっているのだ。


企業がWebでクチコミの力を使って世に何かを広めようとするとき、顧客リストを使わず、一般の人々にブログ記事を書かせるのはどうしてか。
意味があるのか。
著者のこの疑問に私も「お! 確かに」と追随した。
リアルなクチコミを起こすためには、その他大勢の人ではなく、ターゲットを絞る必要がある。


ネットの世界には、嘘くさいことも多数ある。
怪しいものもウヨウヨしている。
ネットは素晴らしく愉しいものだけれど、使い方を間違えないようにしたいし、ネットにすべてを依存しないようにしたいもの。